たとえば水のことを考えると、昔は綺麗な水が当たり前でした。 もともと日本は水に恵まれた国ですが、ほんの少し前までは、野を流れる川、湖など、すべて飲料水になるほどきれいな水がどこにもありました。 しかし今、水は汚れ、水道水も塩素で消毒されるのが当たり前になってしまいました。 そのため、ペットボトルの飲料水が普及しました。 そんなふうに川や湖の水が汚れてしまった原因は、畑やゴルフ場で使われている農薬、工場から出る化学物質、そして家庭で使われている洗剤やシャンプーの排水のためです。 朝食が終わる午前10時ころ、川を見ると、白い泡がたくさん流れているのをよく見かけますが、あれは家庭から流れてきた洗剤の泡です。洗剤に使われている合成界面活性剤は、容易に分解しないため、泡の形を保ったまま、流れていくのです。 合成界面活性剤は、たんぱく質を壊す作用を持っているので、人の肌や髪にとって問題ですが、川の魚や微生物にも悪影響を与え、やがてそれらの生物が消え去ることとなります。 微生物や魚がいなくなった川や湖は、自然の浄化力を失い、やがて顔色の悪い人のように青黒く濁っていきます。 |